コリー・ハートの音楽には、私が男性に永遠に求めてやまない“純粋さと激しさ”があるのです
湯川れい子 / Reiko Yukawa

「世の中の不公平、世の中の濁りを許さない目。自分の力なんてたかが知れていると知っていても、歯を食いしばり、こぶしを握りしめて、大きな不正や不公平に立ち向かっていこうとする。そこには時に、理不尽なほどの激情もあれば、幼い思い入れや無鉄砲さもあるけれど、そんな無計算な純粋さと激しさこそが、私が男性に永遠に求めてやまないものなのです」とは、1987年にコリー・ハートが「フィールズ・オブ・ファイアー」のワールド・ツアーで来日した時のプログラムに、私が書いていた文章です。

 このツアーと同名のアルバムからは、「アイ・アム・バイ・ユア・サイド」や、「テイク・マイ・ハート」「ゴーイング・ホーム」といった名曲が世界中でヒット。中でもエルヴィス・プレスリーの名唱で知られる「好きにならずにいられない」のカヴァーは、前年に発売されるや、母国カナダでは数週間にわたって1位を記録。エルヴィスの故郷アメリカでも見事に全米の第2位という大ヒットになったのでした。

 そしてコリーがこの曲を武道館で歌ってくれた時、そのあまりの熱さ、誠実さに胸を打たれて、本来なら他の歌手が歌うエルヴィスの歌などには耳を傾けない私が、この時ばかりはこぼれ落ちる涙を拭うことも出来ずにいたことを、今も鮮やかに覚えています。

 そしてあの日からでも、32年の年月が流れました。1983年に、デビュー大ヒットの「サングラス・アット・ナイト」以降、全米シングル・チャートのトップ40には9回チャート・イン。カナダではトップ40曲が32曲、うちトップ10が12曲。米国のグラミー賞や、カナダのジュノー賞へのノミネート、受賞は数知れず。と言うキャリアと人気を誇っていたコリーでしたが、25年前に結婚。3人目の娘が生まれた1999年に、なんと、なんと、「自分は父親がいなくて(10歳の時に両親が離婚)寂しい思いをしたので、子供たちには理想的な父親でありたい」と、実にあっさりと、すべての芸能活動から身を引いてしまったのです。本当にショックでした。

 それまでにも2回。私はコリー本人に向かって「え〜?あなたバカじゃないの?!」と言ってしまったことがありました。1度目は88年の夏のLAで。アメリカの泣く子も黙る大物エイジェントからの契約オファーを「人間的に好きになれない奴だから断った」とコリーの口から聞いた時。2度目はその翌年だったか、ニューヨークのスタジオで偶然知り合ったバーブラ・ストレイザンドから、ぜひ映画の主役にと言われたのに「今はもっと良い歌を書くのに集中したいから」と断ったと知って、コリーが‘85年に映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主演を断ったという話は本当だったんだと、妙に納得したものです。

 カナダのフランス語圏を中心に、人気と実力がある歌手のジュリー・モスと結婚して、今年で25年。子育てのために休業宣言をしてから20年。その間コリーは、73年以降に母親と住んで来たバハマの家を中心に、生まれ故郷のカナダのモントリオールと、テニス・プレイヤーを目指す3番目の娘リバーのために、スペインとの間を子連れの親ガモよろしく往復して暮らしながら、同郷のセリーヌ・ディオンや、奥さんのために曲を書いたりして来ましたが、子供たちの手が離れ始めた2014年6月、自伝本の「チェイシング・ザ・サン」を出版した折りに、ホームタウンの22,000人を収容するアリーナを超満員にする一夜限りのコンサートを開催。そして2018年11月には、今は亡きお母さまへの想いを込めたクリスマスの歌「アナザー・ディッセンバー」のミュージック・ビデオを発表。57歳になったコリーは、あのジェイムス・ディーンかエルヴィスか、と言われた甘いマスクに渋くヒゲを蓄え、あの頃と同じ純な瞳のまで、遂にミュージック・シーンの第一線に戻って来てくれたのです。

 さらに、カナダでの名誉の殿堂(ザ・カナディアン・ミュージック・ホール・オブ・フェイム)入りや、20年ぶりのアルバム発売のニュースなどと共に発表された、今年5月末からのカナダでのコンサート会場を見てびっくり!ケベックもモントリオールもエドモントンも、先ごろポール・マッカートニーが公演をした会場と同じ場所ではありませんか!何と言う見事なカムバックぶりなのでしょう。

 きっと私やあなたのように、人間としても、アーティストとしても、変わることなく誠実で魅力的なコリーを愛し続け、待ち続けて来た人が、それだけいっぱいいると言うことだと思うのです。お帰りなさい、コリー!帰って来てくれて本当にありがとう。しかも久しぶりの日本に行くのだからと、仲の良いポール・ヤングを連れて来てくれるなんて・・・。本当に、本当に夢のようです。

湯川れい子 / Reiko Yukawa(音楽評論家・作詞家)

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東京公演

2019年7月2日(火)開場 18:00 / 開演 19:00

S席 : ¥12,500 (全席指定・税込) / A席 : ¥11,500 (全席指定・税込)

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大阪公演

2019年7月3日(水)開場 18:00 / 開演 19:00

S席 : ¥12,500 (全席指定・税込) / A席 : ¥11,500 (全席指定・税込)

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コリー・ハート アンド ポール・ヤング
ライヴ・イン・ジャパン2019〜ヤング・アット・ハート〜

<東京公演>
主催:キョードー東京 / キョードー東京インターナショナル / フジテレビジョン / ぴあ
後援 : WOWOW / tvk / J-WAVE / TOKYO FM / InterFM897 / Fm yokohama 84.7 / NME JAPAN
協力:ワーナーミュージック・ジャパン / ユニバーサル・ミュージック / ソニーミュージック・ジャパン・インターナショナル / タワーレコード / Reflex

<大阪公演>
主催:キョードー関西 / キョードー東京 / キョードー東京インターナショナル / フジテレビジョン / ぴあ
後援:WOWOW / FM COCOLO / NME JAPAN
協力:ワーナーミュージック・ジャパン / ユニバーサル・ミュージック / ソニーミュージック・ジャパン・インターナショナル / タワーレコード / Reflex

招聘・企画制作:キョードー東京インターナショナル